平成28年12月27日 ヤフー、新車ネット販売

平成28年12月27日 ヤフー、新車ネット販売

2016年12月27日(火)4:37 PM

ヤフーは石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングスと組み、インターネット上での新車販売を始める。来春までに国内メーカーの全車種を取り扱う体制を整える。コスモは納車を受け持つほか、全国に約3100カ所ある系列給油所を活用して給油値引きや保守点検サービスも提供する。2017年度に300台の販売を見込んでいる。コスモエネルギーホールディングスはカーリース事業の実績がある電子商取引(EC)を拡大したいヤフーと、給油所の有効活用を模索するコスモの利害が一致した。

 

リースや中古車でなく新車販売でECを活用する例は初めてとみられる。27日に発表する。ヤフーは通販サイト「ヤフー!ショッピング」内に新車販売の専用サイトを設ける。当初はトヨタ自動車や日産自動車、スズキ、ホンダの計8車種に限られるが、17年春までに国内の車メーカーの全車種に拡大する。
消費者はコスモと売買契約を結ぶ。ヤフーは成約件数に応じてコスモから手数料を受け取る。車両本体価格を5~15%程度値引くプランを用意するほか、ローンでの購入も可能だ。ヤフーはビッグデータを活用した販売促進支援も担う。


ヤフー!ショッピングでの購入履歴や検索履歴を分析して新車の購入意欲が高い利用者を見つけ、コスモのサイトに誘導する。ヤフー!ショッピングは2億超の商品が出品されており、国内のECサイトでは最大級。新車も取り扱うことで約14兆円とされる国内EC市場の拡大を狙う。一方、コスモは車の購入者に対し、系列給油所を通じてアフターサービスを提供する。例えば、購入者に対しては3年間、月100リットルまでガソリンなどを1リットルあたり1円値引く。タイヤやオイルの交換、車検などを組み合わせたプランも検討しており「車の知識が少ない女性などにも安心して利用できるようにする」(同社)。

 

コスモは11年から系列給油所を活用した自動車リース事業を展開しており、累計契約台数は3万台を超えた。ガソリンや軽油などの値引きのほか、各種のアフターサービスも提供している。リース事業での実績を生かし、新車販売でも安価に販売できるようにした。国内の燃料油需要は、少子化やエコカーの普及で燃料油の需要は年2~3%ずつ減少している。給油所間の価格競争も激化し収益低下が課題になっているなかで、元売り各社は活性化策を模索している。コスモはリース事業を通じて、燃料油以外の売上高を伸ばしており、今回の新車販売では数年以内に年1000台規模に事業を拡大する考えだ。



«   |   »

  |  

過去の記事