平成29年9月8日 自治体が仲介・厳選「公認居酒屋」都内でも人気

平成29年9月8日 自治体が仲介・厳選「公認居酒屋」都内でも人気

2017年09月08日(金)2:35 PM

地方自治体の「公認居酒屋」が首都圏で人気を集めている。店側は食材を「産直」で仕入れることができ、客は都会にいながらにして、地方の味を楽しめる。自治体にとっても、地元産品の消費拡大につながり、3者に“おいしい”取り組みだ。

 

五島市が「公認店」を出したきっかけは、運営会社「ゴールデンマジック」の山本勇太社長の実家が同市にある縁だった。新入社員を連れて島へ研修に行き、市の職員と島の活性化について話す中で浮上した。東京と五島を結んでテレビ会議を重ね、市は五島産の食材を使ったメニュー構成になっていることや、店内に島の観光パンフレットを置くことなどを確認。今年2月の1号店オープン時には、五島から野口市太郎市長も駆けつけ、「公認証」を手渡した。


同市の公認居酒屋は都内に5店で年内に10店まで増やす計画。現在はメニューの半分に地元産食材が使われ、市の担当者は「島の産品の販路が広がるほか、五島出身者の憩いの場にもなっている」と歓迎。山本社長は「生産者の顔も名前も全て分かる。島の皆さんと一緒に店を育てていきたい」と意気込む。


五島列島の小値賀町や佐賀市・旧三瀬村の公認店を運営する「ファンファンクション」では、1坪当たりの月の売り上げが20万円を超えれば、繁盛店と位置付ける。同社は国内15店舗、海外にも3店舗を構えるが、いずれも売り上げは20万円を上回り、70万円を稼ぎ出す店もあるという。公認を得ることで、店側は自治体の仲介でえりすぐりの食材が手に入り、同業者との差別化を図ることができる。看板やホームページに公認を掲げることで客の信用も得られ、店の付加価値が高まるというメリットもある。公認条件は自治体により異なるが、同県平戸市がメニューに10種類以上の地元産品の使用を掲げるなど、販路拡大やPR効果への期待が大きい。



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