平成29年9月26日 ドトール、非正規にも退職金

平成29年9月26日 ドトール、非正規にも退職金

2017年09月26日(火)2:29 PM

ドトールコーヒーは9月、非正規従業員向けの退職金制度を導入した。社会保険に加入し、週30時間以上勤務する従業員が対象。非正規を対象に退職金を導入するケースはまだ珍しいが、飲食業での人手不足は深刻さを増している。正社員と同様に長時間働く非正規従業員の待遇改善で、長く働き続けてもらう。

 

非正規従業員7千人のうち、当初の対象者は約330人。直営店や工場、本社などに勤務する従業員を対象とし、フランチャイズ店のオーナーにも利用を呼びかける。現在の勤続年数は問わない。正社員に転換した場合は、解約して一時金として受け取るか、別の正社員向け制度に引き継ぐ。

 

ドトールは、オリックスが提供する確定給付型の企業年金基金を活用する。ドトールが毎月100円を掛け金として積み立て、従業員も月給の10%以内で、1000円から2万円までで毎月積み立てられるようにする。月8千円を10年間積み立てると、退職時に約105万円を受け取れる計算になるという。

 

年間の利率は0.3%で銀行預金より多くの利息が付く。積立額の相当分、給与として支給される額が減るため、所得税や社会保険料の支払額も減らせる。さらに退職金として受け取った際も一定額までは非課税となる。ドトールはこうした従業員のメリットの大きい制度を取り入れることで、長く働く非正規従業員を増やしたい考えだ。

 

外食チェーン各社は働き手の囲い込みを進めている。イタリア料理店チェーン「サイゼリヤ」を運営するサイゼリヤは8月、パートとアルバイトを含む従業員に対し、自社の株式を給付する株式給付信託(日本版ESOP)を導入した。勤続年数に応じてポイントを付与し、退職時に累積したポイントに相当する株式を給付する。働く人たちに会社の株価や業績に関心を持ってもらえれば、職場への定着率も高められるとの見方が背景にある。



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