平成30年7月10日 人手不足倒産 半期で最多

平成30年7月10日 人手不足倒産 半期で最多

2018年07月10日(火)2:25 PM

さまざまな業界で人手不足を訴える企業が増えている。全国約1万社の回答を集計した「人手不足に対する企業の動向調査(2018年4月)」では、正社員が不足していると回答した企業は全体の49.2%を占め、1年前(2017年4月)の同調査から5.5ポイント増となった。また、直近2018年5月の有効求人倍率(季節調整値、厚生労働省、6月30日発表)は1.60倍と、1974年1月(1.64倍)以来、44年4カ月ぶりの1.6倍台に達し、企業の人手不足を裏付けている。


こうしたなか帝国データバンクでは、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどを要因とする倒産(個人事業主含む、負債1000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義し、調査開始(2013年1月)以降、2018年上半期までの5年半で発生した倒産を集計・分析した。


2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」は70件発生し、負債総額は106億7700万円となった。件数は3年連続で前年同期を上回り、調査開始(2013年1月)以降、半期ベースで最多となり、年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回る勢いとなった。


負債規模別件数を見ると、「1億円未満」が38件と過半を占め、前年同期(19件)の2倍に。また、業種別件数を見ると、「サービス業」が前年同期比26.7%の増加で、最多の19件を占めた。


2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」(70件)は3年連続で前年同期を上回り、調査開始以降、半期ベースで最多を更新したことが分かった。前年同期比の増加幅は3半期連続で4割を超え、年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回るペースとなっている。


今後も人手不足の深刻化により、小規模企業を中心に「人手不足倒産」はさらに増加する恐れがある。倒産企業のなかには、従業員の相次ぐ離職で事業遂行不能となり、倒産に追い込まれるケースが散見されており、小規模企業ほど従業員の定着率を高める必要性が高まっている。



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