平成31年2月12日 高級ホテル誘致、名古屋市が本腰

平成31年2月12日 高級ホテル誘致、名古屋市が本腰

2019年02月12日(火)2:39 PM

「中心部に高級ホテルが少ない」と指摘されている名古屋市が、誘致に本腰を入れ始めた。2026年のアジア競技大会や二七年のリニア中央新幹線の開業を控え、国際会議の参加者や海外富裕層の旅行客はますます増加する見込み。19年度当初予算案に調査費数百万円を盛り込み、高級ホテル進出を独自に支援する制度づくりを目指す。


6月に大阪で国内初開催される20カ国・地域(G20)首脳会合には愛知県も立候補したが、宿泊地の拠点となる名古屋に要人が滞在できるホテルの少なさも理由に落選した。


挽回を図る名古屋市は19年度から5年間の新たな観光戦略で、外国人宿泊者の目標値を現在の倍以上となる年間370万人に設定。中でも、メインターゲットの国際会議参加者や消費意欲の高い富裕層を呼び込むには、「ラグジュアリー(ぜいたくな)ホテル」と呼ばれる最高級クラスの誘致が鍵を握るとみる。


このクラスは一般的に、大手ブランドチェーンの直営で、最低客室単価は3万円以上、スイートルームや大規模な会議が開催できるホールが必須とされる。


市が参考にする米大手旅行誌「トラベルウイークリー」では、最高級クラス相当は10段階で「10」「9」。東京にはこのクラスが25軒、大阪は8軒、京都と横浜も3軒ある。


一方、名古屋では名古屋マリオットアソシアホテル(名駅)が「9」に分類されるほかは、ヒルトン名古屋、ホテルナゴヤキャッスル、名古屋東急ホテルが「8」にとどまる。


名古屋市に先立ち、税の軽減や建物の高さ制限の緩和などの支援事業を決めた横浜市では2軒、福岡市では1軒の高級ホテルの建設プロジェクトがそれぞれ進んでいるという。名古屋市は他都市の例も参考に、支援策を煮詰める。



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