平成28年5月11日 外食チェーン二極化

平成28年5月11日 外食チェーン二極化

2016年05月11日(水)4:16 PM

大手外食チェーンの価格戦略が二極化してきた。
吉野家など牛丼チェーン各社は低価格に重点を置く一方、日本マクドナルドなどハンバーガーチェーン各社は高価格帯商品の拡充に軸足を移している。豚丼は米国でのBSE(牛海綿状脳症)発生を受けて、米国産牛肉の輸入が禁止となった際に牛丼の代わりとして、吉野家では平成16年3月から23年12月まで販売された。今回は値上げで離れた客足を戻す役割が期待される。吉野家が牛丼を値上げした26年12月~28年3月までの16カ月間で既存店の客数が前年を上回ったのは1カ月だけ。牛丼より50円安い豚丼でてこ入れを図る。他の牛丼チェーン各社でも値引きセールなどが目立っており、価格競争の再燃も否定できない。

 

対照的なのはハンバーガーチェーン業界だ。
日本マクドナルドが4月27日から期間限定で販売している「クラブハウスバーガー」(490円)など、高価格帯の限定商品の投入が相次ぐ。モスフードサービスは27年11月に高級路線の新型店「モスクラシック」をオープンさせ、高級バーガーが売りの米国の新興チェーン「シェイクシャック」や「カールスジュニア」も日本に出店。マクドナルドも27年1月に相次いで発覚した異物混入で落ち込んだ既存店の売り上げや客数がようやく上向き、高級バーガー競争に乗り出す構えだ。

外食では安価な物を求めるニーズがある一方で、プチぜいたくの需要もあり、価格戦略は二極化が進むのではないか。



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