平成28年10月18日 氷河期世代を正社員に 厚労省、非正規転換に助成金
2016年10月18日(火)6:08 PM
厚生労働省は2017年度から、就職氷河期世代のフリーターらに対して正社員就職への支援を拡充する。
正社員として雇い入れた企業に対する助成金を新設するほか、就職への意欲を喚起する短期集中型のセミナーを新たに始める。30~40代に達した氷河期世代は他世代と比べて雇用が不安定な傾向にある。集中的な支援を通じて雇用と生活の安定につなげる。財政・金融政策を拡張するアベノミクスによって8月の完全失業率は3.1%、仕事を探している人に1人当たり何件の求人があるかを示す有効求人倍率は1.37倍と雇用は過熱している。そのなかで、氷河期世代はなお取り残されている。氷河期世代にあたる35~44歳の正社員比率は4~6月期に70.5%で第2次安倍内閣が発足した直後の13年1~3月期に比べ0.7ポイント悪化した。15~24歳の正社員比率は56.0%だが、同じ期間に6ポイント改善しており、厚労省はデフレ脱却には氷河期世代のテコ入れが欠かせないと判断した。
新設する助成金は、企業が氷河期世代の非正規労働者を正社員として雇った場合に、1人当たり60万円を支給する。社員として定着しているかどうかを見極めるため、雇い入れから半年で在籍していれば30万円、さらに半年後も在籍していれば30万円と2回に分けて配る仕組みにする。
正社員への就職を促すためのセミナーも開く。本人が意識を高めて就職活動に臨めるように促す目的だ。一度きりではなく複数回にわたって実施する。開催場所や実施主体はハローワークを主に想定し、外部から講師なども招く予定だ。財源には雇用保険特別会計を使う。氷河期世代を支援する他の施策も含め81億円を計上する。政府は働き方改革の主要課題として「同一賃金同一労働」を掲げ、非正規労働者の待遇改善を目指している。年度内にまとめる働き方改革の実行計画への盛り込みも視野に入れる。
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