平成28年4月25日 スーパー、パート待遇改善
スーパーがパートの待遇改善を急いでいる。
東京と大阪を中心に約260店を運営する食品スーパー大手のライフコーポレーションは地域限定の契約社員として登用。 関西地盤のオークワは報酬体系を見直して昇給しやすくした。
人手不足感が強まるなか、やる気を引き出す制度や働きやすい職場環境を整え人材の流出を防ぎ、優秀な働き手を確保する。
ライフは5月にもエリア社員制度を導入してパートの登用を始める。通勤時間が1時間圏内に限り働く店の「転勤」がある制度だ。 具体的な給与水準は調整中だが、パートより優遇する。 会社側は人手が足りない店に機動的に人材を配置できるようになる。新規の採用者も対象で契約社員から正社員への道も用意する。
スーパー各社は新卒採用にも力を入れているが、想定した仕事の内容とのギャップがあり離職する例もある。 パートの社員化で優秀な人材を囲い込む。
オークワは19日からパートの定着率を上げるため新しい人事制度を始めた。 従来4段階だった昇給制度を役割ごとに細かく定めた7段階に変更。6カ月に1度ある実技や筆記の試験に合格すると時給が段階的に上がりやすくなるようにした。 スーパーのパートは女性の働き手が多い。だが来店客が多くなる週末の勤務を求める店が多く、子育て世代が働きにくいという面もあった。 イオン九州は子育てと仕事を両立しやすいように勤務日が平日限定の「レギュラーバイト」の採用に力を入れる。 通常のパートに比べて時給は数十円低くなるものの、保育園などに子供を預けやすい平日に集中して働きやすくなる。
人手不足は様々な業界に広がっているが、小売業は深刻さを増している。 高い賃金を提示しても人手を確保するのに苦戦するスーパーも目立つ。人材の争奪戦が激しい首都圏は特にそうだ。
東京都内と神奈川県を結ぶ京浜急行電鉄沿線を中心に多店舗展開する京急ストアは「一芸」に秀でたパートの資格制度を設けた。 店頭販促(POP)の作成やレジ打ちが上手な人は資格として認定。月額3000~1万円程度の手当を支給する。 離職を防ぐ試みもある。東急ストアでは「働き始めて3カ月で壁にあたることが多い」という。 このため店長ら向けのパート対応マニュアルを全店に配布する。悩みを抱えるパートに対して丁寧な接し方をアドバイスする。 京王ストアが正社員登用に必要な就業期間を約3年から最短で9カ月に縮めるなど各社は工夫を凝らし人材をつなぎ留めようとしている。
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